後期高齢者増と若年(労働力)人口の減少は、ほとんどの国民が認識する課題となってきている。
同時に、世界の多くの人々が、少子高齢化に対してわが国がどのような解決策(ソリュージョン)を示すかに注目している。
働き手が減少し、一方ケアを受ける高齢者が増えれば、当然の帰結として高齢者ケアの働き手不足になる。
実際、昨年後半あたりから介護施設での職員確保困難が声高に叫ばれるようになり、介護人材の確保が危急の国家的課題となってきている。

このような流れを受け、国もアベノミクス新・第三の矢の“安心につながる社会保障”において、「ICT活用や作成文章量の半減などにより事務負担の軽減、業務プロセスの改善」というスタッフ一人当たりの業務効率を上げる方針も掲げられるようになった。

しかし、どのようにICTを活用して、介護保険およびその関連制度運用の具体的な改善を図るかの道筋は示されていない。
今回の「介護・医療“見える化・効率化”協会」においては、その第一の事業として、生活機能により要介護・要支援等の高齢者を分類(タイプ分け)する。いわば「生活状態のラベル」を作成し、それぞれの高齢者タイプにおける標準的なサービスやケアプランを示す理論体系の構築を図る。

一つひとつのADL等の評価により高齢者の生活像を予測する現在の業務方法(小→大)から、まず生活機能を大づかみし必要なポイントを検討する(大→小)という展開により、通常のビジネスプロセスに近い効率が導かれることが期待される。
この「生活状態のラベル」が、現在施設や事業所等で使われている詳細なケアマネジメント・保険請求等のソフトウェアとして使われることを想定する。
現在ケアマネジャーにより行われているアセスメントは、詳細な情報を集めて高齢者の全体像を把握しようとしている。しかし、この方法を用いると、利用者の全体像をくっきりと思い浮かべることが難しい。

一方今回の前置きシステムを用いて「生活状態のラベル」を通して利用者のラフな全体像をまず把握し、次に詳細なアセスメントを行い、利用者理解を深める。

当協会では、今回のシステムが、この「生活状態のラベル」が、まず地域連携や業務の効率化に有用なツールとなり、更に多くの国民が自分や親の老後を考えるときの当たり前のツール(いわばデファクト・スタンダード化)となっていくことを目指す。
ICTを用いて業務効率をあげるもう一つのポイントは、情報の映像化である。誤解を恐れずに申し上げれば、介護に携わるスタッフの多くは言わば“医療の素人”であり、医療に携わるスタッフの多くは“介護の素人”である。
よってそれぞれの仕事で使用される用語を聴いても、理解できない、あるいは言葉はわかっても実感がわかないなど、分野を超えての理解が難しい。イラストやアニメーションによる用語の解説があれば、他分野の理解と連携が格段に容易になる。
当協会設立の第二の事業は、病気、薬、高齢者イメージなどを説明するイラストやアニメーションを作成し、インターネットを介して広く社会に提供することである。

第三の事業として、ICTや先端福祉機器の導入や働き方の改善を論ずる委員会や勉強会を開催し、この分野の見える化・効率化の考え方を普及させることを行っていく。
当協会の当面の活動としては、高齢者ケアの理論体系(高齢者の状態像ラベルとその状態ごとの標準的なケアや関連した情報)を高齢者ケアに関わる諸団体、福祉用具、ICT企業などが協力して短時間で開発することをめざす。
これを高齢者ケアに関わる人、そして一般の国民が広く使う当たり前のツールに育てていく。この高齢者ケアの理論体系及びこの理論をもとにしたケアの提供体制は、日本が世界に示す高齢化にむけての具体的なソリュージョンの一つになることが期待される。

当協会に入会していただくことにより、まずは今後の高齢者ケアにおける情報交換の根幹となりうる高齢者状態像ラベルや理論体系、イラスト・アニメーションの作成に関わることができ、施設や在宅におけるケアの見える化・効率化に関する活動の最新の情報を入手できることができる。
多くの個人、企業、協会などの法人が、当協会の活動に賛同し、入会されることをお願いしたい。

代表理事 高橋 泰

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